新生児の頃はお義母さんが食事を作ってくれ、洗濯をしてくれ、夜泣きに対応してくれ、買い物もしてくれ、妻のメンタルケアもしてくれていたのだ。そんなお義母さんが遠方へ帰ってしまった。他の孫の幼稚園の送り迎えやお世話だってあるのだから、いつまでも居られないのは当然だ。
正直これはヤバいと薄々気づいていた。でも深く考えなかった。
僕は愚か者であった。
お義母さんが居なくなって、一気に負担が増えた妻は情緒不安定になった。夜も定期的な授乳+不定期な夜泣きで、慢性的な睡眠不足。夫(僕)は夕方定時で仕事から帰ってくるが、だいたいうつ病でぐったりしていて、時に妻を休ませたり役立つこともするが、時につらいつらいと訴えてくることもある。
僕の転職に際して地元から遠方へ越してきた妻には頼れる家族も悩みを話せる知人もおらず、大層心細い思いをしていたのではないかと思う。
しかし僕もこの頃仕事は相変わらずミスが目立ち、転職後にまた休職に陥らないように自分の体調管理に必死であった。前職で二度休職した僕はあの恐ろしさを知っている。収入がなくなること、働けなくなることの怖さ、いや再び寝たきりに逆戻りになる可能性もある。一度転んでしまえば立ち上がるまでにまたどれだけの時間を費やさなくてはいけないのか。
お互いへの不満が口を出て、夫婦仲が険悪になったときもあった。
我が家はどん底であった。
改善策を探しながらも有効な一手がない。そんな状態が数ヶ月続いたのち、僕ら夫婦はついに突破口を見つけることとなる。
続く