うつパパ育児

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うつ病のパパが綴る子育て生活

こどものしつけ方のコンパス①(タイムアウトの是非)

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皆さん、こんにちは。

子供のしつけ方に悩んでいませんか?

人によって違ったり、育児書によって違ったり、どうすればいいのかわからなくなりますよね。

体罰や子供に恐怖心を植え付けたり自尊心を傷つけるような叱り方がよくないことは分かります。

じゃあ、どうすればいいんでしょうか。 

悩みは深まるばかり。

 

しかし日本で検索しても、権威ある学会や国がその方法を詳しく明示してるようなホームページは僕が少し調べる限り見当たりませんでした。

しかし、米国小児学会(American academy of pediatrics:AAP)では親のしつけに関しての声明「What’s the Best Way to Discipline My Child?」を載せています。
 

概ねこのような感じです。

うまくいく10の健康的なしつけ方として、こどもの行いのモデルとなること、一貫した規則を作ること、どういう結果になるのかを説明する、こどもの言い分を聞く、こどもの良い行いを褒める、注意(関心)を子供に向ける、危険のない状況であれば悪い行いを無視して自然と止めるまで待つ、危険な状況を想定しておく、代わりにやれることを探す、「タイムアウト」を宣告する

※詳細はAAPのHPをご参照ください

 

ここで述べられている「タイムアウト」とは少ない言葉かつ感情を抑えて何が問題だったのかを認識させ、予め決められた時間(1歳ごとに1分が目安)その場からこどもを離します。

3歳以上の子供では戻ってくるタイミングをこどもに自分で決めさせてもいいかもしれません 。安定したら戻ってくるように伝えましょう。こどもが自己管理スキルを学ぶにも効果的です。

具体的にタイムアウトのやり方に関しては「How to Give a Time-Out」をご参照下さい。

 

しかしこのタイムアウトと言うしつけに関しては否定的な意見も見られます。

タイムアウトをしても解決に至らないばかりか、親子関係を悪いものにするといった意見です。

これらの意見を受けて精神科医が総括的な意見を論文として提出しています。

2019 Feb 25. doi: 10.1037/amp0000449. [Epub ahead of print]

What is it to discipline a child: What should it be? A reanalysis of time-out from the perspective of child mental health, attachment, and trauma.

 概要はタイムアウトが普及して50年が経つが、その有効性は多くの研究にて示されているのに対して、有害であると主張する論文の根拠に乏しい(今後のさらなる研究が望まれるが)ということ。親の知識不足による不適切なやり方(子供の理解能力の欠如がある段階で行うことや単なる失敗に対して行ったり、親のフトレスレーションのはけ口として行うことなど)が良くない結果を招いており、適切な方法(意図的に悪い行いをしているとき、落ち着いた口調で行う、こどもがある段階まで理解できるようになったらなど)で行えば有効であるということ。むしろタイムアウトをやらないことで普段の親子関係が悪化してしまう可能性があること。またタイムアウトは最終的には子供の自制心を育てることに帰結すべきとしている。

タイムアウトは子供の悪い行為に対してのみ焦点を当てており子供自体を否定することではありません。タイムアウトは落ち着いて行い、戻ってきたら仲良く寄り添い(タイムイン)ましょう。

とてもまとめきれないので詳細を知りたい方は文献を見てほしい。

最近はタイムアウトよりも良いしつけ効果があるとして、こどもに寄り添うタイムインと言う言葉がネット上で見かけられます。しかしタイムインはタイムアウトと対立するものではなく、ともに子供を健康的に成長させるため大きな育児の1部という位置づけであるようです。

子供が自分や他人に意図的に危害を与えようとしている場合は、行って良いしつけの方法だと思います。

 

またAAPでは体罰や罵るような言葉は有害である、親が感情をコントロールできないときに自身がタイムアウトすることも有効、と勧告しています。

 

以上、子供のしつけ方、特にタイムアウトに対して考察しました。

しかしその前に考えて欲しい。

子供が危ない行動をしている原因に心当たりがありませんか?

危ないものに手が届く部屋の状況や、悪い行いの背景にある子供の望み・感情などです。

安易にタイムアウトを行うよりもまずはそれらを再考することが先決です。

 

続く

 

 

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