うつパパ育児

うつパパ育児

うつ病のパパが綴る子育て生活

こどもの虫歯予防のコンパス

 子供の虫歯については以下のような報告がある。

これは今年の3月に報告された論文だ。

2019 Mar 15;41(2):95-112.

Risk Factors for Early Childhood Caries: A Systematic Review and Meta-Analysis of Case Control and Cohort Studies.

 
  1. 中〜高所得国の幼児期のう蝕に関連する2つの最も強い危険因子は以下の通りであった。(a)エナメル質欠損の存在。 (b)高レベルのミュータンスレンサ球菌。
  2. 高所得国の主な副次的危険因子は、象牙質う蝕の存在、甘味食品の頻繁な摂取、口腔衛生不良、および目に見える歯垢の存在でした。

 

ここで注目したいのは

・甘味食品の頻繁な摂取

・口腔衛生不良

・目に見える歯垢の存在

が虫歯に関与する大事な因子と言うことです。

 

砂糖の入ったお菓子などを食べると、口の中の虫歯菌が酸を産生して口の中のpHを産生に傾けて歯を溶かします。しかしその後唾液などにより口の中が中和されると、歯の再石灰化(修復)が行われます。

甘いものを頻回に摂取すると、口の中の酸性の状態が長く続き、どんどん歯が溶けていきます。

上の論文が示唆しているようにお菓子を頻回に食べる事が虫歯に大きく関わってきます。歯磨きしてるから大丈夫、なんてことは間違いなのです。

こんな本を出す歯科医がいる位です。 

 

 

ただ全くお菓子をあげないと隠れて頻回に食べるようになるので、親がきちんと時間を決めてコントロールした方が良い。 

お菓子は時間を決めてあげるように気をつけよう。

 

 

ちなみにキシリトールをあげているからと過信するのいけない。

こんな報告がある。

 2017 Mar 15;39(2):103-110.

Effectiveness of Xylitol in Reducing Dental Caries in Children.

1.子供のう蝕発生率に対するキシリトールの有効性を検討している現在の系統的レビューでは、無作為化対照試験での効果の大きさが小さく、予防を可能にする証拠の質が非常に低いことが示された。
2.キシリトールの効果量はキシリトールが高いほど大きかった。
投与量(1日4グラム以上)。

 

少量のキシリトールではその効果は不明なのだ。

1日4グラム以上のキシリトールであれば効果が期待できるが、例えばテルモキシリトールタブレット等はキシリトール含有量0.085グラムである。キシリトール自体の効果は期待できない。

しかしキシリトールは虫歯菌が酸を産生することができない人工甘味料で、なめているうちに口を中和し歯を修復してくれる要素である唾液をどんどん出してくれると言うことだ。これは良いことだ。

 

繰り返しになるが、頻回なお菓子の摂取にはくれぐれも気をつけよう。