最初に息子の自尊心を垣間見たのはいつ頃だったか。
1歳過ぎくらいだったろうか、ボーネルンドの動物型はめパズルをやっていたときだ。それまでも動物たちを型に入れたりはできていたが、どこにはめるか迷ったり上手く入らなかったりすると、入れてくれと手渡してきた。
ある日、一旦全ての動物を型から外し息子に入れさせてみたところ、例によって迷って手渡そうとしてきたのだが、少し待った。息子は再び模索し始め、どうにかこうにか全ての動物たちを型にはめることができた。
そのとき息子が深く息をつきながら目を輝かせ、自信を1つ積み重ねた瞬間と表情を今でも鮮明に覚えている。
大人で例えれば、何ヶ月もかかった大きな仕事を終えた後に自分の価値を認め満足に浸るときの感じ。
それが型はめパズルで起こったのである。
そんな自尊心が育つ瞬間を目撃して以来、僕は息子がちょっと困っていても少し待つようになった。