うつパパ育児

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うつ病のパパが綴る子育て生活

うつ病を改善させるためのコンパス(ガイドラインたち)

 

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うつ病という夜を歩くために、指針となる星を探せ

 

うつ病の皆さん、こんばんは。

うつパパです。

うつ病という先の見えない夜に暗中模索していますね。

さぞ焦ることでしょう。

その気持ちよく分かります。

状況を打開するために何かされているでしょうか。

ネットでうつ病の誰かの体験談を読んだりしてますか。

それも良いでしょう。

ですが、それは後回しで構いません。

まずは、信頼できる身元が発信した情報を入手するべきです。

それを指針として、自分の状況を把握し、具体的な手段で改善に向けて進むべきです。

 

今回は題してうつ病を改善させるためのコンパス】

 

 

うつ病について知る

まずはこちら。

厚生労働省のホームページです。

www.mhlw.go.jp

次に

www.jspn.or.jp

サイトの「一般の方へ」→「心の病気について」→「うつ病

また「こころの健康ガイド」から「英国王立精神科医学会 日本版こころの健康ガイド」

(※海外の学会のものを訳したものです。)など参考になります。

 

また、

日本うつ病学会

ここで「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病DSM-5)/ 大うつ病性障害2016」を入手ましょう。

 

どれを見るか迷ったら、

「英国王立精神科医学会 日本版こころの健康ガイド」がまずは患者の心理に寄り添うような語りかける文章で読みやすい。

例えばこんなことが書いてあります。

他にもたくさんの人がうつ病にかかっていること、信じられないだろうか鬱病はいずれ治るもの、うつ病がなおった後は精神的に強くなり、物事に対して上手に対応できるようになること

詳細に興味がある方は上記リンクから全文参照ください。

ただし海外のガイドを訳したものなので、全てが日本の現状に当てはまるわけではありません。

 

「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病DSM-5)/ 大うつ病性障害2016」も大いに役立つ知識が詰まっています。

例えばこのように書いてあります。

iii. 急性期治療・導入期の項目にて

6)予後を伝える

予後についてどのように伝えるかには配慮が必要である。適切な薬物療法、精神療法、生活上の工夫、リハビリテーションによって寛解・回復にいたる患者が多い半面、再燃・再発・慢性化・難治化により、年余にわたり好ましい経過に到達しにくい症例も存在する。例えば米国のSTAR*D研究の結果によれば(Rush et al, 2006)、各種の抗うつ薬投与や、増強療法(オーグメンテーション)、認知行動療法を併用しても、48~60週間での累積寛解率は67%程度に留まっている。過度に経過を楽観視させるような説明は、「薬を飲んで、休んでいれば、それだけで調子よくしてもらえる」といった、医療への過剰な依存・退行を引き起こし、患者側に必要とされる治療への積極的参加(真のアドヒアランス)が放棄されてしまう懸念もある。したがって治療初期から、「薬物を服用すれば十分」とはせず、周囲のサポートを受け入れることや、生活上の工夫、段階的なリハビリが必要である旨を伝えておく。

「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病DSM-5)/ 大うつ病性障害2016」より引用

 

iv. 回復期・維持期の項目にて

1)薬物療法

早期に抗うつ薬を中止・減量することは再燃の危険性を高める。とりわけ、寛解後26週は抗うつ薬の再燃予防効果が立証されており(Reimherr et al, 1998)、欧米のガイドラインは、副作用の問題がなければ初発例の寛解後4~9ヵ月、またはそれ以上の期間、急性期と同用量で維持すべきとしている(American Psychiatric Association, 2010; Lam et al, 2009)。

抑うつ相を繰り返す患者は再発危険率が高いが、これらの再発性うつ病の患者に対しても抗うつ薬を1~3年間急性期と同用量で継続使用した場合の再発予防効果が立証されている(Geddes et al, 2003)。したがって、再発例では2年以上にわたる抗うつ薬の維持療法が強く勧められる(American Psychiatric Association, 2010; Lam et al, 2009)。しかし、再発例では双極性障害の可能性が高い(Perlis et al, 2006)ので注意が必要である。抗うつ薬を減量あるいは中止する際には「中止後(中断)症候群」に注意が必要であり、緩徐に漸減することが原則となる(Baldessarini et al, 2010)。漸減中に抑うつ症状の悪化した場合には、減薬前の量に一旦戻す。

また、以下に述べる認知療法認知行動療法あるいは対人関係療法薬物療法と併用した場合は薬物療法単独に比べて再発予防効果が高いことが立証されている(Cuijpers et al, 2009; Lynch et al, 2010)。

 

 (中略)

 

a)認知療法認知行動療法:この療法では、ある状況を経験して生じる感情と行動は、その状況をどうとらえるか(認知の仕方)によって影響を受けることに着目する。その上で、感情や行動に影響を及ぼしている極端な考え(歪んだ認知)が何かを特定し、それが現実的かどうかを検討し、より現実的で幅広いとらえ方(適応的な認知)ができるように修正していくことで、不快な感情の軽減と、適切な対処行動の促進を図る。うつ病に対する治療効果、特に再発予防効果に優れていることが立証されている。

b)対人関係療法:社会的役割と精神病理との関係は双方向的であり、社会的役割の障害がうつ病発症のきっかけになると同時に、うつ病の症状によって社会的役割が障害される。このような根拠に基づき、重要な他者との現在の関係に焦点をあて、症状と対人関係問題の関連を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけることで症状に対処できるようになることを目指す。うつ病での治療効果が立証されている。

「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病DSM-5)/ 大うつ病性障害2016」より引用

 

要するに精神科で抗うつ薬睡眠薬を処方されて休養したら、漫然とそれを続けるのではなく自分でできることをやる姿勢(認知行動療法対人関係療法、環境調整)が改善につながるということですね。

(※段階がありますので、どん底のときはどうぞ休んでください。)

 

認知行動療法について」

多くの人が自分に起こったことを実際とかけ離れたふうに考える癖があります。

その癖を見つけ、役立つ考え方に修正するのです。

認知行動療法は知っておられる方も多いかもしれません。 

認知行動療法薬物療法と並行的に行われるものであり、薬物療法に代わるものではありません。

薬物療法と並行的に行うことでより改善が見られたとする報告あり。

認知行動療法についてはこちらなどとっつきやすい ↓

また、このサイトなど良さそうでした。

認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」

(※一部のみ無料公開。すべて見るには有料。しかし、216円/30日と良心的。)

認知行動療法の第一人者、精神科医の大野 裕先生が監修されているようです。

 

対人関係療法について

認知行動療法と双璧となるもうひとつの精神療法。

ストレスは周囲の人との関係で生まれることが少なくありません。

良い人間関係を築くための技術です。

ツレがうつになりまして。」の細川貂々さんと対人関係療法の第一人者の水島広子先生が書いたこれなんか最初におすすめです。

 

それでいい。

それでいい。

 

 

続編 

やっぱり、それでいい。

やっぱり、それでいい。

 

 

環境調整

例えばストレス源から離れたり周囲からのサポートを得たり。

これは人により様々ですので割愛。

 

治療抵抗性のうつや復職について知る

うつが遷延するケースは少なくない。

僕みたいな人ですね。

こちらが参考になります。タイトルで検索してください。

なかなか治らないうつに対し、どの様に捉え、どの様に対処すべきだろうか(総説)

治療抵抗性抑うつに対し外来診療でできること】 外来治療レベルの治療抵抗性うつ病患者の復職に向けて精神科医が知っておきたいこと(解説/特集)

 

 

まとめ

とても1記事ではまとめきれませんね。

うつ病治療の柱は

「休養」

「薬物治療」

「精神療法」

「環境調整」

です。

 

個人的には、発症後は何も出来ない・何も考えられないとしても、抗うつ薬睡眠薬を飲みながら落ち着いてきたら、認知行動療法対人関係療法でより生きやすいように自分の思考を柔軟にし、周囲(例えば職場など)の環境を調整する。

これが楽になる道ではないかと思います。

うつ病になって失くしたものばかりを見て悲観しているかもしれません。

しかし、いつかうつ病から得たものに気づくはずです。

 

他にも役立つ情報は沢山あると思いますが、紹介したものはいずれも参考になる資料ですから、取っ掛かりにしてください。一読してあなたに活かせることを願います。

 

うつ病の同士たちに幸あれ!