うつパパ育児

うつパパ育児

うつ病のパパが綴る子育て生活

うつ病改善のヒント⑤「肚(はら)に据える」

f:id:utsupapaikuji:20190818103607j:plain

「改善の余地」しか見えない視界

うつ病が多少良くなったとしても、ズルズルと遷延したら不安になるでしょう。

「もう治らないかもしれない」と。

その時に浮かぶ考えは以下の通り。

「薬が効きますように」「こんなに安静にしているのに」「良くなる兆しはないか」「明日目が覚めたら元のようにすっきりと治っていやしないか」「まだかまだか」・・・

少しでも良くなる兆しを待つことでしょう。

まだ自分には改善の余地があると信じてひたすらに。

 

しかし、そんな時最も大事なのは「もうこれ以上の改善はないかもしれないが、それでも何とかやっていこう」と肚を据えることだ。肚に据え、前を向いたときに初めて道が拓ける。

実際にはまだ「改善の余地」があるかもしれないし、ないかもしれない。それは誰にも分からない。しかしあるかどうかも分からない「改善の余地」にすがりついている間、決して前を向くことはできない。薬を飲みながら静養し、ひたすらに病状が良くなることだけを望む日々。上を見上げ手を伸ばす、一見前向きだが違う。それは「上向き」であって前向きではないのである。上を向いてる間は手を伸ばした体勢のまま硬直し、周りなんか見えるはずはない。飛んでくるかもしれないボールを待って、それ以外は目に入らないし考えられない。希望がうつ病患者を身動きの取れない状況に追い込むはめになるのだ。

そこで肚を据える。

改善の余地に見切りをつけ、うつ病と折り合いをつけ何とかやっていこうと思ったとき、初めて自分や周囲の人と向き合うことができ、人生の選択肢をきちんと選ぶことができ、ともすれば見切ったことが病状を改善させることにも繋がり得るというなんとも皮肉な話である。