うつパパ育児

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うつ病のパパが綴る子育て生活

うつ病改善のヒント⑥「判断力を取り戻す」

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ご飯はハンバーグに決めた!

 

うつ病になったら大事な決断をしていけない、正常な判断力が欠如しているから」

これがうつ病になったときのセオリーとして広く知られている。急性期どん底のころはその通り、退職や離婚などは避け大事な決断はできるだけ先延ばしにした方が良い。どうなるか分からないからどうしたら良いのか分からない、自分では何も決められないし決める自信もない。何もしたくない、というか横になってるだけで焦燥感に駆られる、そんな状態なのである。

しかし、うつ病の症状が少しだけ落ち着き始めたら、段階に合わせて徐々に判断力を取り戻す練習をした方が良い。

 

最初はほんの小さなこと、例えば「ご飯何が食べたいか」といったことでいい。ふざけているわけではない、そんなことすら決められなくなっているのが急性期のうつ病患者だ。まずは考えて決める感覚を取り戻すことから始めよう。そこから少しずつ自分で考えて決めることを広げる。買い物なんかは調度良い。体が動けばスーパーでもいいし、体が動かなければネットでもいい、選んで決める練習をしよう。

 

1つ選ぶためにはそれに関することをいくつか調べる必要があるものだ。例えば最近僕はドライバーを買った。眼鏡のネジを締めるための先の小さな精密ドライバーが欲しかったからだ。有名なメーカー、ドライバーにサイズがあること、プラスマイナス以外に先端の種類があること、グリップにも種類があること、実際の眼鏡のネジのサイズ、小さいネジだからネジが先端にくっついたら便利→磁石の有無、など。検討した末に1本だけ買った、金額は大したことはない、200〜300円程度の買い物だ。でも1本のドライバーを選んで僕はとても満足した。

何が言いたいかというと、自分が本当に必要とするドライバー1本ですらきちんと選ぼうとすればこれだけ調べることがあるというのに、ろくな調べもせず(できない状態で)退職や離婚やあげく生死について検討しているのだから急性期のうつ病患者は文字通り正気の沙汰ではない(それは当然。うつ病の症状としてあらゆる負の「認知の歪み」が襲っているのだから)ということだ。そういう状態にあることを自覚して、幸運にも大事な決断が先延ばしにできたなら、その間に選んで決めるということを少しずつ練習してほしい。

「ご飯のメニュー」から決め始め、時間はかかるかもしれないがドミノのように徐々に大きなことへ、その末に職・婚姻・生死などをきちんと検討できる判断力が戻ってくる。

 

過去記事でも書いたが、選んで決めることは自己肯定感につながり、うつ病患者に限らず健康・人間関係に次いで幸福感につながる大事な要素でもあることが知られている。うつ病改善につながると僕は思っている。

(注※ 大事な決断が先延ばしできない状況なら医者や信頼できる第三者に相談してください。買い物は一例です、買い物依存にはならないよう気をつけて下さい。)