うつ病を改善させるための概ねの方針やガイドラインは過去にまとめた。
うつ病を改善させるためには、薬の他に認知行動療法や対人関係療法が有用だ。
僕はこれらの精神療法の最も重要なキーワードは「自己肯定感」だと思っている。
心をすぐに曇らせる認知の癖を正し、人と良好な関係を築き、そして自分で自分を認めてあげれるようになること(自己肯定感を得ること)がうつ病を改善させるのではないだろうか。
育児がヒントをくれた。
僕は現役のうつ病患者でありながら一児の父親なので、こどもの自己肯定感について色々調べるのだが、多くの育児書が「その日着る服など細かなことでいいから選ばせること」を勧めている。物事に対して主体的になり自己肯定感を育む、というのだ。
これはこどもに限らず、大人でも同様ではないだろうか。
一つ興味深い研究がある。
幸福感と自己決定―日本における実証研究
RIETI Discussion Paper Series 18-J-026 2018年9月
この研究は主観的幸福感に関わるものは、健康、人間関係に次いで「自己決定」が大事だと示唆している。所得や学歴よりもだ。
うつ病を発症した今、認知行動療法や対人関係療法を行いつつ、助言は求めたとしても何事も自分で決めていこうとする姿勢も大事なのではないか、と思っている。